麗子像
家族旅行というか家族キャンプにこないだ行きました
2日目に近くの川でラフティングをすることになってました
父親が勝手に予約してました
私は海洋恐怖症で、川も苦手だから絶対にやりたくないと駄々を捏ねて私だけキャンセルしてもらいました
3時間も1人で時間を潰さなくては行けなくなったので、少し離れた美術館まで送ってと父親に頼みました
天一美術館というところでした
とっても綺麗で、静かで、私以外お客さんはいませんでした
この美術館の名物というか、見物は岸田劉生の「麗子像」です
日本絵画ではかなり有名な作品なので楽しみにしていました
いざ展示室に入ろうとして部屋を覗くと、なぜか怖くて足が動かなかったです
誰もいない、音もしない、薄暗い部屋、壁にかかった麗子像、なぜかお化け屋敷同等の恐怖感があって結局入れませんでした
私は美術館で作品を見るときにいつも思うことがあります
まずこの作品がホンモノかどうか、版画ではないか、それを見ます
ホンモノじゃないとあんまり楽しくないです
いや、楽しくないというか、楽しさが半減しちゃうというかなんというか
ホンモノの良さはやっぱりホンモノを目の前にして、ホンモノの前に立たないと分かりません
あの画家、あの人が何時間も何日もこの場所に立ってこの作品に向き合って作り上げてきたんだと、その画家の人生の一部を体験しているような気持ちになります
これが美術館の1番の楽しいところです
それがこの天一美術館では、恐怖に感じてしまいました
たくさんの麗子像に見られている、というよりかは岸田劉生に見られているような思い込みをしてしまいました
部屋の外から麗子像をちらと見ただけで心臓が持たなくてロビーに逃げました
結局この天一美術館では何も見れませんでした
だれもいない美術館ほど怖いものはないと感じた日でした